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第418話 3rdパニック

入院三日目の出来事です。

また朝が来た。
三日目を迎えても痛みは相変わらず。
いい加減焦り出す。
朝起こしてくれた看護婦さんがまた違う。
実はこの三日で看護婦さんを既に四人見ている。
初日の朝、夜、二日目夜、三日目朝。
初日の朝と二日目朝の人は同じだったがあとは別人。
誰が本当の担当なんだろう?


昼前に先生の回診があった。
またも別の先生。
この病院はどうなってんだ?
担当医とかないのか?
しかも2日間、全くの放置だし、もしかしてヤブなのか?
初日に転院していった若者はもしかしてあまりのヤブさ加減に嫌気がさして・・・?


今回の先生はちょっと長髪のメガネをかけた学者っぽい人。
白衣にどこぞやの大学の校章がついていた。
自分の出身校を誇りたいのだろうか?


とりあえず昨日のMRIの結果を聞いてみる。
骨に異常はなく、単なる打撲だそうな。
「安静が大事」
と、これまた昨日の先生と同じことをのたまわれた。
しかし今日は一向に痛みが引かない事を訴え、飲み薬と患部を冷やす氷を出してもらう約束をとりつけた。
これですこしでも回復してくれればいいが・・・。


MRIの結果を聞いて、事の次第を会社へ連絡しようとして気付いた。
ここは病院。携帯は使えない。
困った・・・。
看護婦さんに相談すると病院内ではPHSだと大丈夫らしい。
電波が微弱なのかな?


そして電話。
職場では大変な事になっていたらしい。
私は月曜の救急車で運ばれる前に「ケガでしばらく休みます」とだけ伝言し、入院。
当然携帯は電源がきれているので繋がらない。
本人に連絡がつかない場合は親の元へ連絡がいくことになっていたが、会社に教えていた電話番号は半年前までいたところ。
今は別のところへ引っ越しているため、当然繋がらない。


かくして、一時は「死亡説」が流れたとか流れなかったとか・・・。
で、事の次第を説明し、一週間は入院することを伝えた。
まぁ、退院しても自宅療養になると思うんでそれ以上休むとは思うが・・・。


まぁ、そんなことをやっていて夕方。
おもむろに病室カーテンの外から
「mkomさんmkomさん」
と男の声が聞こえる。
「ハイ?」
と応えると
「なぁんだ、そこか」
とカーテンが開いた。
近所に住む大学時代の友人Kだった。
ありゃ?病院教えてたっけ?
それ以前に入院した、なんて言ったっけ?


ウチの会社には大学時代の同級生Tがいる。
多分会社からTに連絡がいき、そこからKへと伝わったか。
それにしてもよく病院わかったもんだ。
疑問をぶつけてみると、Kも過去に事故でこの病院に運ばれたらしい。
で、もしや?と思い、病院に確認してみたらビンゴ!だったワケ。


面会時間ギリギリにきてちょっと話して嵐のように去っていったが、かなり嬉しかった。
これが女の子だったりしたら間違いなくホレてるところだ。
ただ、「お土産」と称してスケベな本を置いていくのはどうかと思う。
俺にどうせぇと?
しかも看護婦さんに見つかったりしたらヒンシュクもんですよ、コレ。
まぁ、キモチだからどっかに隠しておくケドね・・・。


Kが帰って程なくしてトイレに行きたくなった。
今回も激痛を覚悟して立ち上がったが、立つときと座るときだけ痛み、座ってるとき、歩いているときはそうでもなかった。
今日一日患部を冷やしていた成果だろう。


昨日より今日、今日より明日、回復に希望が持てた一瞬だった。
by mkom00 | 2006-10-13 09:50 | 第401~500話
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